道東の旅9【中編】 摩周湖の観光と、景色を堪能!【北海道・弟子屈町】

釧網本線の鉄道旅と、弟子屈町の名所・摩周湖の地理・歴史などを、旅行初心者の方にもわかりやすく解説してゆきます!

摩周湖

摩周湖(北海道川上郡弟子屈町)

摩周湖(北海道川上郡弟子屈町)

摩周湖ましゅうこは、川湯温泉駅の東にある湖です。

摩周湖へは、前回解説した川湯温泉駅から、バスで行くことができます。

摩周湖は、次回解説する屈斜路湖くっしゃろこと同じで、カルデラによって出来た湖です(カルデラ湖)。

「カルデラ湖」としての摩周湖

カルデラ湖とは、

  1. 火山の噴火によって、
  2. 山の中身がみごとに噴き出してしまい、
  3. 中身が「すっからかん」になって、
  4. 凹んだところに、雨などで水が溜まってできた湖のこと

です。

スペイン語で「鍋」

ちなみに「カルデラ」は、スペイン語の「caldera」から来ています。
これは、日本語で「大きな鍋」という意味です。
まるで大きな鍋のような形をしているため、「カルデラ」というわけです。

この「大きな鍋」の中に、雨水などが溜まったのが、摩周湖などのカルデラ湖というわけです。

また、摩周湖は、

  • 日本の湖全体では第20位の大きさ
  • カルデラ湖としては、第6位の大きさ

になります。

布施明の曲「霧の摩周湖」で、知名度が上がった摩周湖

昭和を代表する歌手である布施明ふせあきらという方が、1966年に発表した「霧の摩周湖」という曲が大ヒットしたことで、一気に摩周湖はメジャーで有名な存在になりました。

すると、まるで布施明の「聖地巡礼」のような感じで、多くのファンが摩周湖を訪れるようになりました。

摩周湖(北海道川上郡弟子屈町)

摩周湖(北海道川上郡弟子屈町)

霧の摩周湖」では、霧のかかった摩周湖を訪れた主人公の男性(布施明さん本人)が、昔の恋人との思い出を思い出すという、なんとも切ない気持ちを歌い上げています。

布施明さんの曲は、令和の今でもあまり古臭さ(昭和っぽさ)を感じさせないため(※)、勉強がてら聴いてみる価値は十分にあると思います。

※あくまで個人の感想です。ご了承ください。少なくとも、私(筆者)は、そのように感じております。

布施明さんとは?

ちなみに、布施明ふせあきらさんは1947年、東京都三鷹市みたかし生まれの歌手です。

霧の摩周湖」の他にも、1975年に大ヒットした「シクラメンのかほり」などの大ヒット曲があります。

霧がかかると、まるで「天空の城」のようになる摩周湖

摩周湖に霧がかかると、あたり一面霧だらけになり、湖面の水が全く見えなくなるというものです。
すると、まるでカムイヌプリが「天空の城」みたいに見えるようです。

天空の城」といえば、兵庫県の内陸部にある竹田城やペルーの「マチュピチュ」などが有名ですね。
竹田城は「東洋のマチュピチュ」と呼ばれます。

摩周湖に霧がたまりやすい理由

ちなみに、摩周湖に霧がたまりやすい理由は、

  • カルデラ湖という地形
  • 湖の水温と、気温の差による上昇気流

が主な理由です。

カルデラ湖のため、霧がフタをされ、溜まりやすい

摩周湖はカルデラ湖であるため、周囲をとり囲むような地形によって、霧がたまりやすい地形になっています。

つまり、まるで霧を封じ込めておくような地形になっているわけです。

夏の空気が急に冷やされ、地上で「雲(霧)」になる

もう一つの要因は、

湖面の冷たい空気が、温かい空気を冷やし、霧を発生させること

になります。
以下、詳しく解説してゆきます。

とはいわば、「地上にできた雲」のことです。

  1. 夏の温かい空気が、
  2. 湖面の冷たい水によって冷やされ、
  3. 重くなって地上にとどまり、
  4. 温かい空気が、水分を含みきれなくなり、
  5. 水分(雲のようなもの)が湖上に姿を現し、となって現れる

というわけです。

以下、雲・霧・前線・雨などを発生させる、基本原理です。

  • 摩周湖の霧は、夏によく現れやすい
  • 空気は、温かいほど、多くの水分を含めることができる
  • しかし、急激に冷やされると、水分を含みきれなくなって、「雲」「霧」のようになって現れる
  • 空気は冷たいほど密度が上がり、「重く」なる→下降気流の発生
  • 空気は温かいほど密度が下がり、「軽く」なる→上昇気流の発生

余談:前線が発達して、雲が発生し、大雨を降らす仕組み

※以下、完全な余談です。興味がない方は、読み飛ばしてください。

ここで、冷たい空気が無理やりかつ大量に「温かい空気」にぶつかると、

  1. 冷たい空気が、「温かい空気」の下にもぐりこみ、
  2. 温かい空気は、上に押し上げられて上昇気流が起き、
  3. 上空で冷やされ、空気に含みきれなくなった水分が空気中に現れ、となり、
  4. 積乱雲が発達し、前線ができ、
  5. 大雨が降る

というわけです。

摩周湖の場合は、「冷たい空気」はあくまで湖面のみのため、「温かい空気」の上昇気流は発生せず、地上でになるのみとなります。

余談2:「前線」となって大雨を作り出す空気のカタマり「気団」

冷たい空気」の代表格は、ユーラシア大陸など北からやってくる「シベリア気団」などであり、冬の時期に日本の上空を覆いつくす気団です。
乾燥しているため、体感温度も下がり、風邪のウイルス(=湿気が苦手)も育ちやすい気候になります。

温かい空気」の代表格は、南からやってくる「小笠原気団」です。
夏の時期に日本の上空を覆い尽くし、水分をたっぷり含んだ、蒸し暑い気候を作り出します。

そして、

  • シベリア気団
  • 小笠原気団

の両者は、ともに6月になるとお互いにぶつかって「押し合い合戦」をするため、「梅雨前線ばいうぜんせん」ができて、梅雨の大雨になります。

以上、余談でした。
摩周湖でデートするときは、こうしたうんちく話はやめましょう。

摩周湖の神の山・カムイヌプリ

摩周湖には、「カムイヌプリ」という壮大な山があります。

摩周湖の向こう側にある、カムイヌプリ(北海道川上郡弟子屈町)

摩周湖の向こう側にある、カムイヌプリ(北海道川上郡弟子屈町)

  • カムイ神の
  • ヌプリ

なので、カムイヌプリ=神の山という意味になります。

北海道では「ゴールデンカムイ」という漫画がとても有名ですね。

他にも、北海道で覚えておくと便利なアイヌ語を、以下に列挙しておきます。

  • ワッカ(稚)→
  • ナイ(内)→
  • ベツ(別、部)→
  • ポロ(幌)→大きな
  • トー沼、湖
  • サム(寒)、サップ(沙布)→~のそば
  • コタン(古潭/古丹)→村、人々の住む場所

アイヌの人々にとって、お魚が採れるや沼というものはとても神聖だったので、こうした地名が多かったのですね。

次は、屈斜路湖の話題へ

摩周湖と同じ弟子屈町にある、屈斜路湖(北海道川上郡弟子屈町)

屈斜路湖(北海道川上郡弟子屈町)

次回は、同じ弟子屈町てしかがちょうにある、屈斜路湖くっしゃろこについての話題になります!

今回はここまでです!お疲れさまでした!

ちゅうい!おわりに

この記事は、「旅行初心者に教える」ことを目的として書いており、難しい表現や専門用語などは極力使用を避けて、噛み砕いて記述・説明することに努めております。
そのため、内容については正確でない表現や、誤った内容になっている可能性があります。
もし内容の誤りに気付かれた方は、「お前は全然知識ないだろ!勉強不足だ!」みたいなマウントを取るような書き方ではなく、「~の部分が誤っているので、正しくは~ですよ」と優しい口調で誤りをコメント欄などでご指摘頂ければ嬉しく思います。
再度こちらでも勉強し直し、また調べ直し、内容を修正致します。
何卒ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

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